夢だけじゃ 夢だけが

恋することが世界の平和♡

『オカダのはなし』の話。

 確か初めてGrowing Reedを聴いたときのゲストは経営者の遠山正道さんだった気がする。まるで遠い昔の記憶のように書いたが実際は1ヵ月前の話。そして約1ヵ月前私は岡田君がパーソナリティを務めるそのラジオ番組に驚きを隠せないでいた。通常ジャニーズのタレントがレギュラーとして出演しているラジオ番組は大体タレント自身のことや所属するグループのことを中心とした話を語ることが多い。すべてのラジオを聴いたことがあるわけではないが私が聴いている嵐のラジオはみな自分自身のことを話していた。だから単純に岡田君がラジオのレギュラーを持っていると知ったとき、岡田君の一人喋りor作家さんとの会話で成立していると思った。岡田君がパーソナリティを務める「Growing Reed」は毎週月曜(日曜深夜)0:00~1:00J-WAVEにて放送されている。レギュラーのラジオ番組を持っていると知った週の日曜日さっそく私はradikoを起動し聴きはじめた。そして、番組の冒頭アバンみたいな部分にて、いきなり「人間とは考える葦である」と言われた。

 

 

  実はGrowing Reedという番組、毎週さまざまなジャンルで活躍する各界の著名人に岡田君がお話を聴くというコンセプトの番組だった。だから私が初めて聴いた回では株式会社スマイルズの経営者、遠山正道さんがゲストだったがその前の週では日本ビアジャーナリスト協会の会長、藤原ヒロユキさんであったし、翌週は建築家の石上純也さんだった。勿論普通のジャニーズのタレントさんがやるラジオ番組はとても面白いしたまにとんでもない裏話が聞けるので大好きなのだが、ほかとは違うコンセプトを持つGrowing Reedにもまた面白さを感じた。1時間番組ということや、岡田君の低くてしっかりした相槌、普段知ることがないジャンルの専門家の方の話しを聞くことが出来るという点などとても素敵な番組だと思った。でも一つ疑問だった、何故こういうコンセプトの番組を岡田君は20代前半で始めることが出来、10年も続けて来れたのだろうか。

 

 

 その答えが昨年2014年の1月に発売した『オカダのはなし』を読んでわかった気がする。『オカダのはなし』は岡田君が雑誌ananにて書き続けている連載を1冊にまとめた本だ。連載をはじめた23歳から32歳までの内容がまとまっている。残念ながらすべての連載が載っているわけではないが、写真とテキストがバランスよく掲載されている。

 

私がこの本を読んで感じた岡田君の第一印象は「真面目」で「変わり者」だった。多分ジャニーズで自分の連載とはいえ地球環境の話と歴史の話と格闘技の話が出来る人って彼しかいないんじゃないかと思う。もともと歴史と格闘技が好きという話は知っていた。先々週のラジオでも最近「軍人か武士の役しかこない」と笑っていたくらいだ。でも戦国時代の歴史を勉強して、そこから地球環境の話しや考えが浮かぶというのはとても面白いと思った。そして本書の中で語られている、若い頃に公園の滑り台に寝っころがって星を見たり、家の中にテントを張ってその中ですごしたりするといったエピソードにも驚いたが、岡田君が変わってると思う点は物事の考え方一つ一つの不思議な同居にあるのだと思う。

連載を通して読むと感じるのだが岡田君はとても「真面目」だ。事実彼自身も周りの人に真面目と言われるという。しかも本人は自分のことをせっかちだと言っている。話し合い好きなV6の会議中に「もしかしてこれは10分で終わる話しなのではにだろうか?」という考えが浮かび反省するそうだ。でも、「真面目」で「せっかち」だけど「器用」。なのに、歳を重ねるたび恋愛や女性が分からなくなってきているという。でも、女性はこうあるべきという考えを押し付けるようなことはしていない。自分でも書いておきながらなんだか分からなくなる人で、多分なにかに偏った性格をしていない部分が岡田君の魅力だと思う。そこが本を読んだとき感じた「様々な考え方を同居させている」ということなのだろう。

 

そして、物事に関して様々な考え方を出来る理由が20代前半に読書に明け暮れていたことと仕事を続けていたからなのだろうと思った。岡田君は14歳でV6としてデビューしていたが、数年後にはジャニーズを辞めて学校の社会科の先生になろうとしていた。でも、V6は辞めなかったし天職ともいえる俳優業でも活躍するようになった。知識を得て、それをアウトプット出来る場があったからこそ俳優としても評価されるまでの段階まで進めたのだろう。逆に芸能人として活動する中で得たものから物事を考える機会もあり一方通行の考え方にはならなかったのだと思う。


そんな岡田くんが多くの本を読んだ理由に母の影響と20代は勉強する時間だと思ったからと言っていた。だから将来は牧場をしながら生きたいという理由から牛の病気などの本を読んだくらいだ。しかしその勉強するというルールのようなものがったからこそ、自分がなかなか関わることのない分野の人とお話しをするようなラジオが出来た秘訣だし繋がっているんだと感じた。

そして今私自身も岡田くんが悩みながらも色々なことを考えていた20代前半になった。ずっと嫌いだった日本の歴史も岡田准一という人を通してならば少しは学べるのではないかと、この『オカダのはなし』を読んで思えてきた。どこまで理解出来るか分からないが、せっかくの機会だ私は岡田くんに歴史の魅力を「勝手に」教えてもらおう。


それと、岡田くんの軍人役などはとても素敵だと感じているが、久しぶりに『木更津キャッツアイ』シリーズのような底抜けに明るく面白い岡田くんの演技も見たい。あのシリーズはあの年齢だから出来たものかもしれないが、是非日本のドラマ映画業界の人に期待したい。