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気が付いたら映画館に来ていた。≪PSYCHO-PASS/Sinners of the System Case.1≫

 気付いたら映画館に来ていた。

否、正確に言えば映画館の劇場の椅子に座っていた。

 

 おかしい、今日は19時までの遅番勤務が終わって職場をすぐに出たはずだ。職場の人と取り留めのない話をして。

何より今週はとても忙しい。昨日出張で参加した研修のレポートを書かなくちゃいけなかったし、土曜日も仕事だという母親の家事を手伝わなくちゃいけなかったし、何より今週末に大事な国家試験がある。勉強をしなくちゃ試験には受からない。試験に受からなかったらダメだ。だから観たい映画もたくさんあったけど、まだ今年は映画館に行ってなかったし、いくつもりもなかった。だって私にはやらなきゃいけないことがたくさんある。映画といえばそういえば今日は『PSYCHO-PASS』の新作の公開日じゃないか。

 

そんな事を考えながら寒さに悴む手をパーカーのポケットにつっこんで自宅に帰る足を速めていたはず。

 

でも、私は家から30km離れた映画館にきていた。そして、今日公開されたばかりの『PSYCHO-PASS/Sinner of System』を観ていた。

めちゃくちゃ面白かった。

 

 『PSYCHO-PASS』は2012年にTVシリーズ第一期、2014年に第二期、2015年には劇場版が上映されたSFアニメシリーズだ。そのほかにもコミカライズやスピンオフ作品のコミック、ハヤカワ文庫からの小説版出版など100年後の日本に舞台に様々な物語が展開されている。

 

 物語に出てくる100年後の日本は科学技術の目覚ましい発展の元、人間の精神が数値化され、社会に悪影響を及ぼす根源が芽を出す前に摘み取れるようにまでなった世界だ。

一つの大きな正義が軸となり、たいていの人はその正義のシステムさえ信じていれば幸福を享受できる。自分で何が正しくて何が誤りなのかなど考えなくても良い世界。

 

 今作もそんな世界の中で自分の正義を信じ、誰かの心を守るため血を流し銃口を向けるキャラクターたちがいた。

Case.1の主人公でもある霜月監視官は公安局の刑事として働き始めて2年半経っていた。もう、新人ではなくなった彼女は相変わらずの減らず口と気の強さを持ちつつも、監視官として成長していた。

TVシリーズ第二期で登場したときは、生意気な彼女は嫌われていて世界のシステムを信じ切っている一般人としての噛ませ犬的キャラクターだった。

 

だから、映画の中で世界のシステムとの折り合いをつけ、確固たる正義を持ち行動する彼女の成長が本当にまぶしかった。

私は『PSYCHO-PASS』の世界観も風景もシステムもドラマも大好きだけど、何よりキャラクター達が持つまっすぐな正義と自信が大好きだ。

自分の信じたものを一身に信じ、行動する姿は例え100年後の未来でも、架空の世界の話しでも現実の私に「こうありたい」と思わせてくれる。

 

 映画を見終わったあと、「頑張ろう」と思った。ベタだけど、まだまだやりたいと思った。私は『PSYCHO-PASS』に出てくるキャラクターたちほど大層な仕事はしてないし、もっとお気楽に生きてるけど自分の信じることは大事にしていたいし、諦めたくないと思った。

どうしょもない気持ちとやるせない現実に直面した時、私の背中を押してくれるのは彼らの眼差しと確固たる正義への姿勢だろう。

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